ハーバリスト 高橋克弥(たかはしかつみ)です。
ずいぶんと春めいてきましたね。そろそろあちこちでお鼻がグズグズ、くしゃみを連発する方が増えてくる季節です。今日は、そんな花粉症の季節に大活躍のハーブ、エルダーフラワーをご紹介します。
ハーブ・プロフィール(エルダーフラワー)
学名 Sambucus nigura
和名 セイヨウニワトコ
科名 レンプクソウ科(スイカズラ科)
使用部位 花部
主要成分 フラボノイド配糖体(ルチン、クエルシトリン)、粘液質(多糖類)、ミネラル(特にカリウム)
作用 発汗、利尿、解毒、抗アレルギー
適応 風邪、インフルエンザ、花粉症
小さな妖精のような可憐な姿
初夏に小さなアイボリー色のお花をつけ、マスカットのような甘い香りを漂わせます。茎にフシがあるので、「接骨木(にわとこ)」と呼ばれています。
ティーでいただく際には、是非ガラスのポットで淹れましょう。白いお花がぽぽぽっと咲いたようになって、見ているだけで幸せになるほど、とっても可憐です。
こんな感じです。
うーん、なんか違うな。実物はもっと可愛いんですけどねぇ。
雑誌『美的』の付録についていたスマホ用マクロレンズで撮ってみます。
…………。
と、とにかく! 可愛いんです!!!!!!!
お客さまのおもてなしにピッタリですよねっ!(強引)
フラボノイドを豊富に含む「インフルエンザの特効薬」
エルダーフラワーの特徴は、なんといっても豊富なフラボノイド。発汗、利尿作用に優れており、風邪の諸症状に用いられます。その可憐な姿とは裏腹の威力で「インフルエンザの特効薬」「万能の薬箱」などの異名を持ちます。
体内の水分が入れ替わることで(発汗・利尿 = デトックス)、体内環境の改善が期待できます。美容面にも良いですね。
フラボノイド配糖体(ルチン、クエルシトリン)の利尿作用と、カリウムの利尿作用が互いに相乗効果を発揮します。単一成分である医薬品と、多様な成分を含むハーブとの大きな相違点です。
また、抗アレルギー作用により、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといったカタル症状を鎮めます。
先日ご紹介したネトルが、アレルギーの体質改善に用いられるのに対して、エルダーフラワーは一時的なカタル症状の緩和に用いられます。
もちろん鎮静作用もありますので、就寝前などのリラックスタイムにももってこいです。
英国伝統の自然飲料・コーディアル
そしてエルダーフラワーと言えば、忘れてはいけないのが、イギリス伝統のコーディアル。ハーブシロップです。古くからイギリスの家庭で手作りされており、もともとはアルコールを用いて作られていたようです。ハーブの効能はそのままに、甘く飲みやすくなっていて、ティーが苦手な方にもおすすめです。
水や炭酸で割るなど、カルピスの原液のような使い方をします。私はよくヨーグルトやチアシードに混ぜていただきますが、ハチミツよりくどくなく、香りも良くてとても美味しいですよ。アルコールで割ってオリジナルカクテルにしたり、ゼリーやアイスクリームなどのスイーツにもよくマッチします。
写真は、生活の木さんの『ロックス&トゥリー ハーブコーディアル イングリッシュエルダーフラワー』。360mlで2,000円(税抜、2017年2月現在)。レモン果汁が入っており、さっぱりとした甘さです。コーディアルは、同じハーブを使っていても作り手によって味が随分違うのですが、これは万人受けするお味で、とても美味しいです。
活用法・内用
ティー、内用チンキ、コーディアルなど。身体を温め、発汗作用、利尿作用で風邪の諸症状を改善します。
活用法・外用
蒸気吸入など。くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった花粉症のカタル症状の緩和に。
以上、豊富なフラボノイドで風邪、花粉症対策☆インフルエンザの特効薬エルダーフラワーのご紹介でした。