ハーブ活用法

浸出油(インフューズドオイル)

こんにちは。JAMHA認定ハーバルセラピストのmarrieです。
今日は、浸出油についてのお話をします。

 浸出油とは、ドライハーブを植物油に浸して成分を抽出したもので、インフューズドオイルとも呼ばれます。
ティーがお湯や水で水溶性成分のみを取り出して飲用するのに対し、浸出油は植物油を使用するため、ハーブの脂溶性成分*1を抽出することができます。

常温で長時間浸けこむ冷浸法と、湯せんで温めながら成分を取り出す温浸法があります。精油成分(香り)を取り出したい時には温浸法が適しています(ラベンダー、ローズマリー、ジャスミンなど)。そうでない場合は、冷浸法でじっくり抽出した方が、ハーブの有効成分がよく出ます。

作り方

冷浸法

お好みのハーブを植物油に2週間浸けておくだけ♪

用意するもの
ドライハーブ 5~10g
植物油 80~100ml

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今回の写真の材料は、

ドライハーブ … セントジョンズワート3g、カレンデュラ2g
植物油 … マカダミアナッツ油70ml、ホホバ油10ml

です。なぜホホバ油を混ぜたかというと、マカダミアナッツ油が途中で切れたからです! 植物油を用いるので、酸化防止のため小麦胚芽油を10%ほど加えることもあります。小麦胚芽油は他の植物油に混ぜると酸化防止剤の役割をすると言われていますが、匂いがきつく色も濃いので、単体では浸出油には向きません。

分量は「~」となっていて幅がありますが、もう、テキトーです。(出た!)

①フタつきのガラス瓶にハーブを入れ、植物油を注ぎます。この時、ハーブが完全に浸かる量の浸出油を入れるよう気をつけましょう。成分の抽出を効率的にするだけでなく、空気に触れていると雑菌やカビが繁殖しやすくなります。

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②フタをしっかりと閉め、直射日光の当たらない暖かい場所で2週間つけ込みます。効率よく成分を抽出するために、1日1回ビンを振って中身を混ぜます。はじめのうちは上の写真のようにハーブが浮いていますが、2~3日でなじんで植物油に完全に浸るようになります。

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③2週間経ったら、茶こしやガーゼでこしてよく絞りきり、保存容器に移します。保存は遮光性のガラス瓶(酸化を防ぐため、フタがついて完全に密閉できるもの)で。日付やハーブ名をラベルに書いて貼っておきます。保存期限は3か月です。

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温浸法

ハーブを耐熱容器ごと湯せんにかけ、温めながら成分を抽出します。短時間で完成します。

用意するもの
ドライハーブ 5~10g
植物油 80~100ml

①耐熱容器(瓶やボウルなど)にハーブを入れ、浸出油を注ぎます。

②水を入れた鍋を火にかけ、①を湯せんにかけます。この時、フタつきの瓶であれば湯気や水分が入らないようにフタを乗せると良いでしょう(容器の中の空気が膨張するため、フタはきっちりとは閉めず乗せるだけにしてください)。

③時々ガラス棒などでかき混ぜながら、30分以上湯せんします。

④茶こしやガーゼでこしてよく絞りきり、保存容器に移します。保存は遮光性のガラス瓶(フタがついて完全に密閉できるもの)で。日付やハーブ名をラベルに書いて貼っておきます。保存期限は3か月です。

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植物油

お好みで選んでいただいて構いませんが、よく使われるのは、ホホバ油、スイートアーモンド油、マカダミアナッツ油、イブニングプリムローズ油、ローズヒップ油などです。それぞれの特徴がありますが、そのお話はまた別の機会に。お肌との相性もありますので、事前にパッチテストをされることをおすすめします。私はマカダミアナッツ油を愛用しています。

植物油には、精製されたものと未精製のものがあります。精製されたものは、不純物が取り除かれると共に、その植物特有の香りや色も除去されています。例えば、未精製のマカダミアナッツ油は香ばしいナッツの香りがしますが、ハーブの香りと喧嘩してしまうので、自分の好きな香りをつけたい場合には向きません。表記のしかたもお店や商品によってまちまちなので(例えば、生活の木さんでは『有機マカダミアナッツオイル』と書かれたものが未精製のものにあたり、未精製である旨ははっきりと書かれていません。)、お店の方とよく相談して、目的に合ったものをお選びください。作用に違いはありません。

浸出油の活用法

外用で用います。
・傷などに塗布する。
・マッサージ用のトリートメントオイルとして。私はよく病気の母にハンドマッサージをしてあげています。
・ミツロウと混ぜて軟膏やクリームを作る。

常備しておくと便利な浸出油

カレンデュラ
皮膚や粘膜の保護、修復

セントジョンズワート
消炎、鎮痛

ラベンダー
鎮静、リラックス、軽いやけど

ローズマリー
血行促進(マッサージで使用すると肩こりなどに効果的)

子供が転んでケガをした時、自身がお料理をしていてやけどした時など、常備薬として重宝します。
もちろん、美容オイルとしても。
また、ハンドケアマッサージなどを習得し、この浸出油を使ってマッサージをしてあげると、アロマテラピー効果とも相まって、とても喜ばれますよ♪

以上、浸出油(インフューズドオイル)のご説明でした。
次回はこの浸出油を使って、軟膏を作ります。お楽しみに!

*1:脂溶性成分とは、精油、カロテノイド、ビタミンA、D、E、K、一部のフラボノイドなど。