ハーバリスト 高橋克弥(たかはしかつみ)です。
先日、大好きなハーブ&ドライフルーツショップ葉温さんに遊びに行った際、ローレルの枝をいただきました! オーナーが丁寧に乾燥させた枝ごとローレル、すごーーーーくいい香りで癒される!! というわけで、今日はローレルについてお話しします。
ハーブ・プロフィール(ローレル)
学名 Laurus nobilis
和名 月桂樹
別名 ローリエ(仏)、ベイリーフ(米)
科名 クスノキ科
使用部位 葉
主要成分 1,8-シネオール、α-ピネン、オイゲノール、リナロール、酢酸リナリル
作用 去痰、抗カタル、抗菌、抗ウイルス、消化機能亢進、鎮痙、鎮痛、自律神経調整、食欲増進、鎮静
適応 消化不良、風邪、神経痛、リウマチ、月経痛
地中海沿岸原産の常緑樹。花言葉の「栄光」「勝利」が表す通り、勝者のシンボルです。古代ギリシャでは太陽神アポロンの祭儀ピューティア大祭で、勝者に月桂冠が贈られていました。ローレルの枝を輪っかに編んだ月桂冠。素敵ですね。ちなみにオリンピックで贈られるのはオリーブ冠です。
いただいた枝はこちら。甘くスパイシーな香りにうっとり♡ ふとした瞬間に強く香ります。
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さっそくハーブオイル作り♪ これでお肉やお魚を焼くだけで、ただのソテーがぐっと風味豊かになっちゃいます♡
オリーブオイルに、ローレル、にんにく、ローズマリー、バジルを浸け込みました 。材料の量は適当(出た!)。ただ、オイルからハーブが出ないようにだけ注意します。今回は15cmほどの高さのビンに、ローレル3~4枚、にんにく1片、ローズマリー1枝、バジル4~5枚を投入。私は濃いめが好きなので、結構しっかり入れました。にんにくの根元は切り落とします。
2週間ほど常温で浸け込み、香りがオイルに移ったらハーブを取り出します。
ハーブはお好みのものでOK。上記の他にディル、フェンネル、タイム、ミント、赤唐辛子などがオススメ。もちろんローレルだけでも。
ハーブはフレッシュ(生)でもドライ(乾燥)でもOKです。フレッシュハーブを自然乾燥して使っても。
※雑菌の繁殖やカビの発生を防ぐため、オイルから葉が出ないように注意しましょう。
※ハーブを洗った後、水気をしっかりと切ってからオイルに浸け込みましょう。水が入ると痛みやすくなります。
ハーブオイル、ハーブビネガー、煮込み料理など、お料理によく使われるローレル。風味づけだけでなく、食欲増進にも役立ちます。葉はフレッシュでもドライでもOKですが、ドライの方が苦みが少なく香りが芳醇です。ちぎったり、折り目をつけたり、もんだりしていれるとより香り立ちます。煮込み料理に葉を1枚入れると、肉の臭みが消えて風味がアップしますが、入れっぱなしだと苦みが出るので、具材がやわらかくなったら取り出しましょう。数種類のハーブや香草野菜を束ねたブーケガルニにもよく使われますね。
葉を5mm大ほどに細かくしてティーを淹れてみました。3gきっちり計って入れましたが、色はあまり出ませんでした。もっと細かくすべきだったかな…なにしろズボラで(笑)お味は、すーっとしてあっさり。んー…コアラになった気分? 主要成分がユーカリと同じ1,8-シネオールですからね。
それにしても豊かな香り! スーパーの香辛料売り場で売っているローレルとは完全に別モノです。やっぱり新鮮さって大事なんだなぁ。
メディカルユースでは、精油で使われることも多いです。我が家ではマストアイテム。前述の通り多種多様な作用を併せ持つ万能精油です。
活用法・内用
主にティーとして。ローレルのティーは胃腸の調子を整える作用があります。お料理でも大活躍。
活用法・外用
外用チンキ、浸出油、軟膏などで、リンパ節や背中の太陽神経叢に塗り込むと免疫系や自律神経系に作用します。蒸気吸入なら呼吸器系にアプローチ。浸出油で頭皮マッサージをすると抜け毛やフケに効果的。ハーバルバスでも。
芳醇な香りの枝つきローレル。実はお料理のスパイスとしてだけでなく、メディカルハーブとしてもかなりの実力者なんです。ぜひその手にとって、古代ギリシャ人の豊かな暮らしに思いを馳せてみてくださいね。
以上、万能薬ローレルのご紹介と、ハーブオイル作りでした。
素敵なハーブ&ドライフルーツショップ、葉温さんのご紹介記事はこちら↓