ハーブ図鑑

飲んで良し、塗って良しの万能薬 ジャーマンカモミール

ハーバリスト 高橋克弥(たかはしかつみ)です。

今日は、世界中で愛されているハーブ、ジャーマンカモミールをご紹介します。

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ハーブ・プロフィール(ジャーマンカモミール)

学名 Matricaria chamomilla
Matricaria recutita

科名 キク科(キク科アレルギーの方は注意)

和名 カミツレ

使用部位 花部

主要成分 精油(α-ビザボロール、カマズレン)、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)

作用 消炎、鎮静、鎮痙*1、駆風*2

適応 胃炎、胃潰瘍、月経痛、皮膚炎、不眠、冷え性

ピーターラビットも飲んでいた!?

6月~7月頃に開花する、小さな可愛らしいお花です。

有名なピーターラビットの絵本の中で、お腹を壊したピーターに、お母さんうさぎがカモミールティーを与えるシーンがあります。昔から世界中で親しまれているハーブなんですね。

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学名のMatricariaは、ラテン語のMater(母)、Matrix(子宮)に由来します。イギリス、ドイツなどで「マザーズハーブ」、中国では「母菊」と呼ばれ、古くから月経トラブルをはじめとする様々な症状に用いられてきました。

見た目も効能もよく似ているローマンカモミール(学名:Anthemis nobilis)とは別の植物ですので、注意です。ローマンカモミールは、主にアロマテラピーの精油など外用で使われていますね。なぜなら、お味が…イマイチなのです。((ノ_<)アチャー)

活用法・内用

内用なら、もちろんティーや内用チンキとして。「甘いリンゴ畑のような香り」と形容されるように、誰からも愛される香り高いティーは、精油α-ビザボロールによるリラックス効果が高く、またカマズレンによる消炎作用に優れているので、ストレスが原因の胃炎や胃潰瘍、大腸炎、不眠などに用いられます。
胃のトラブルに用いる場合は、荒れた胃の粘膜に直接作用させるため、食間やお休み前など空腹時にいただきましょう。
身体を温めてくれるのと、フラボノイドのアピゲニンによる鎮痙作用で、冷え性、月経痛にも効果的です。

味の面でも成分面でも、牛乳ととても相性が良いので、ミルクティーにするのもオススメ。牛乳に入っている成分トリプトファンが、アピゲニンの作用を助けてくれます。お休み前の一杯に最適です。

活用法・外用

カモミールと言えばティーのイメージが強いですが、実は外用でも大活躍。ローション(化粧水)、ハーバルバス、蒸気吸入、外用チンキ、軟膏などで用いられ、肌荒れ、湿疹などの皮膚のトラブルに有効です。よく市販の化粧水にも入っていますが、やはり消炎効果に期待してのことでしょう。また、血行促進→肩こり解消目的で、温湿布でも用います。

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飲んでよし、塗ってよしの万能ハーブ、ジャーマンカモミール。お花も可愛らしくて、私も大好きなハーブのひとつです。
近頃は、レストランなどでもよく見かけるカモミールティー。美味しさを楽しむだけでなく、ぜひ上記のような作用を期待しながら、いただいてくださいね。

以上、ジャーマンカモミールのご紹介でした。

*1:筋肉の緊張を和らげる作用

*2:胃腸にたまったガスを排出して、腹部の張りや痛みを和らげる作用