ハーバリスト 高橋克弥(たかはしかつみ)です。
今日はこの時期にピッタリのリラックス・ハーブ、リンデンをご紹介します。
風邪のひき始めに、身体を温めてリラックスさせ、カタル症状を鎮めてくれる優しいハーブです。
ハーブ・プロフィール(リンデン)
学名 Tilia europaea
和名 セイヨウボダイジュ
科名 アオイ科(シナノキ科)
使用部位 花部(苞)、葉部
主要成分 フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)、アラビノガラクタン(粘液質)、タンニン、精油(ファルネソール)
作用 発汗、利尿、鎮静、収れん
適応 風邪、上気道カタル、高血圧、不眠、冷え性
この時期、朝自転車をかっ飛ばしてると、会社に着くなり鼻水ダーダーになっちゃうんですが、このリンデンのティーを淹れてその湯気を鼻から吸い込むと(蒸気吸入)、鼻水がピタリと止まります。もうこれ、ほんと感動です。これぞ粘液質*1アラビノガラクタンの成せる業! 粘り気のある成分が鼻の粘膜を覆って保護してくれるのです。
それから、会社ではいつもティーバッグを愛用しているのですが、飲んだ後ティーバッグの中身を取り出して、手の甲の上で軽くクルクルとこすると(ゴマージュ)、角質が落ちて手が白くなり、モチモチ感がアップします! タンニンには収れん作用*2があり、皮膚のたんぱく質を固めてくれるのです。飲んだ後の葉も、ぜひ有効利用いたしましょう☆
鎮静・発汗・利尿作用に優れたハーブ
フラボノイドを豊富に含み、鎮静作用があるので、ストレス性の高血圧に用いられます。また、フラボノイドの発汗、利尿作用によるデトックス効果で、ひき始めの風邪の諸症状にも。
精油ファルネソールの甘い甘い香りにも高い鎮静効果があり、ヨーロッパでは古くから不眠の改善に用いられてきました。心身を温めてリラックスさせてくれるので、緊張からくる肩こりにも効果的です。
精油ファルネソールの鎮静作用と、フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)の鎮静作用が、相乗効果を発揮します。自然のハーブには多様な成分が含まれており、それぞれの成分がお互いに相乗効果を発揮するのも、単一成分である医薬品との大きな違いです。
写真のリーフは生活の木さんのもの。飲む直前に細かくつぶします。
苞(ほう。つぼみを包んでいた葉)からお花が出ている、面白い形をしています。シナノキ科の特徴のひとつです。
活用法・内用
ティー、内用チンキで。ストレス性の高血圧や不眠、ひき始めの風邪の諸症状に。
活用法・外用
ハーバルバス、足浴、蒸気吸入、温湿布、ゴマージュなど。身体をあたためて、血行を良くします。
作用が穏やかで、味のクセもなく、お年寄りやお子さまにも飲みやすいハーブです。風邪の季節に、ぜひ。
以上、冷え込む季節に大活躍のリンデンのご紹介でした。