起業・副業支援

理想のお客さま像・ペルソナ設定は本当に必要か

挑戦したいあなたへ!

この記事はハーブやアロマテラピー、その他の学びを通し、起業や副業をお考えの方のヒントになればという思いで書いています。

お商売を始めて集客を意識し始めると、「ペルソナ」という言葉を聞くようになります。
ペルソナとは、商品やサービスを利用するターゲットとなる顧客モデルのこと。
名前、性別、年齢、住所、家族構成、仕事、年収、趣味、ライフスタイルなどなど、あるひとりの架空人物についてプロフィールを細かく作り上げたものです。
そして、そのひとりに向けて商品開発や発信をするのがマーケティング戦略においての正解とされています。
ブログなどの発信も然り。誰かひとりを想定して発信すること。大勢に向けて書いた文章は、結局誰にも刺さらないと言われています。
しかしこのペルソナ設定、マーケティング本を読んだり、「あなたの理想のお客さま像を作りましょう!」とコンサルタントに言われるまま真に受けてガチガチに練り上げてしまうと、思いがけずお客さまを減らしてしまうことになります。

自分勝手な想像でペルソナを作ると、自分に都合のいいように条件を設定してしまい、「そんな人本当にいる??」状態になることがあります。
パートナーを探している女性が「身長180cm以上、高学歴、年収1,000万以上、ハンサムで優しくて、話が面白くて、結婚したら家事育児は半々で分担、絶対に浮気しない…」と、いつか出逢える(はずの)白馬の王子さまを探してしまっている状態と同じです。
そんな方は実際にはいないのですから、いつまでも理想のお客さまに出逢えない…となり、当然商品も売れません。
例えばこんな感じです。あなたがダイエットを専門とするコーチだとします。

高橋みみこ、35歳。青山学院大学卒。東京都渋谷区在住。IT関連企業に勤める独身女性。年収450万円。休日はカフェめぐりを楽しんでいる。
会社員になってから慢性的な運動不足。最近太ってきたのを友人に指摘され、ダイエットコーチング専門のオンラインコーチを探し始めたところ。

この場合、大卒とか職業とか住所とか関係ありますか? 
ダイエットしたい人が、いきなりコーチを探し始めるでしょうか?
まずは食事を見直したり、ウォーキングしたり、ジムに通うなどするのでは?
人の手を借りるにしても、コーチングを選ぶと言い切れるでしょうか?
そもそもなぜ「コーチングを知っている」ことが前提なのでしょうか?
これはコーチングを提供したいあなたの、都合のいい妄想です。

ペルソナ設定は企業が行うのに適した戦略で、かけ出しの個人事業主には不要です。
複数人数で業務を行う企業の場合、スタッフ間で顧客像などのイメージが共有できていないと方向性がまとまりませんが、個人事業主は実際のお客さまひとりひとりを見て徐々にターゲットを固めていけば良いのです。
オンラインのハーブティーショップを経営して4年目ですが、ハーブティーを買ってくださるお客さまが女性だろうが男性だろうが、独身だろうが子持ちだろうが、10代だろうが60代だろうが、大卒だろうが中卒だろうが、そういった『属性』は売上にはまったく関係ありません。
詳細なペルソナ設定をするメリットは、実はあまりないのです。ブログのトピックスが多少思いつきやすくなるくらいです。
もちろん「こんな人を助けたい」という大まかな顧客イメージは必要ですが、年齢だの職業だのという細かい属性設定は不要です。
注目すべきは『属性』ではなく、『価値観』や『お悩み』『願望』です。
あなたのお客さまになり得る人は、どんなお悩みを持っているのか。何にお金をかけているのか。何に時間をつかっているのか。どうなりたいのか。そこが重要なのです。

mimico

商品のコンセプトやUSPに無関係な細かいペルソナ設定は、お客さまの共感が減り、チャンスを狭めるよ。

うさぎ薬草のお客さまには、こんな方が多いです。

  • 病気まではいかないけれど、ちょっとした不調や加齢に伴う体重増加などが気になっている。
  • お値段が少々高くても、質のよいものを持ちたい。
  • 自分へのご褒美が好き。
  • 美しいものが好き。
  • ハーブやアロマテラピーが好き/興味がある。
  • うさぎが好き。(え)

4年間ショップを続けて、ブログやインスタで発信し続けた結果、こういった方々が自然と集まるお店になりました。

克弥さん

お客さまがある程度集まってからは、上記のターゲットを意識して商品づくりや発信をしているよ。

パートナーを作るにも、まずはお友達にたくさん出逢える場所に行きますよね。
それと同じで、まずはたくさんのお客さまと出逢い、その中の一番多い属性をペルソナとする。そうすれば、実在しない人を追い求め続けるという無駄がなくなります。

つまり、絶賛売り出し中のあなたがやるべきことは、以下です。

①まずはターゲットを決めず、たくさんのお客さまに有料でサービスを提供する。
ポイントは「有料で」提供すること。無料なら利用したい人と、お金を払ってでも利用したい人は明らかに違います。お金を払ってくれる人こそがあなたのお客さまです。

②そのお客さまの中で、一番多い購買層の属性やお悩み願望などの共通項目に着目して、商品づくりや発信に役立てる。
 

ペルソナもコンセプトもUSPも、たくさんのお客さまと出逢ってやりとりする中でだんだんと明確になっていきます。自分やお客さまの成長に伴い、どんどん変わっていくものでもあります。
最初から細かい属性設定をしていると、それに固執して視野が狭くなったり、せっかく素敵なお客さまと出逢っても「この人は違う」と切り捨ててしまうかもしれません。
それではせっかくのあなたの商品を、たくさんの人に届けることはできませんね。
頭でっかちにアレコレ考えず、まずはできるだけたくさんのお客さまに出逢う努力をし、そしてお客さまのお役にたちましょう。その方たちが何を望み、あなたのサービスでどう変わったか。それこそがターゲットを明確にし、あなたのサービスの方向性を示してくれるでしょう。

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